向坂未由 高校一年生の、季節が秋から冬に変わろうとしている頃でした。
ミサキ「未由ー。次、時間割何だっけ?」
未由「んー・・・たしか、選択授業じゃないっけ?」
ミサキ「あ、そっか。もーやだなー・・・
あたし、なんで柔道なんて選んじゃったんだろう。
未由はダンス楽しそうでいいよねぇー。」
未由「うん。楽しいよ。じゃ、がんばって!」
あたしの友達、ミサキちゃんは柔道選択。
あたしと、もう一人の友達、ノリコはダンス。
未由「ノリコー!行こっ♪」
ノリコ「待ってよ!」
修学旅行が1週間後に迫ってきているこの時期、みんなは恋愛の話で持ちきり。
やっぱ、修学旅行までには彼氏ほしいよねー・・・
未由「あー・・・もう!何でダンスなのに走んなきゃいけないのさ」
ノリコ「だよね!マジきついし。」
あたしたちは、自然と話が恋愛に移った。
ノリコ「ねー、未由ちゃんって彼氏いないの?」
未由「は?居ないし。」
ノリコ「えっ!!うそぉ!!」
未由「本当だって。」
あぁ・・・いっつも聞かれる、この話題。
未由「あ、ノリコ居るんでしょ!?」
ノリコ「居ないしー。」
未由「あーね!ノリコに出来るわけないってね 笑」
ノリコ「居るし!!」
・・・は?
今のは、とっさの勢いですか?
さっきと言ってること、全然まったく違うんですけど。
未由「えっ!何組??」
ノリコ「教えなーい!」
未由「何だよそれー。」
まぁ・・・ノリコはかわいいからねぇ。
居ても居なくてもおかしくないしね。
てか、こんなアホと付き合うやつって大変やな。 笑
ノリコ「何で未由ちゃん彼氏作らないのー?かわいいのにぃ。
ありえない!」
いつも言われるこの言葉。
作らないんじゃない。出来ないの。
みんなには言わないけど。本当に出来ないものはしょうがないじゃない。
でも今まで、彼氏作ろうなんて、あんまり思ってなかったかも。
そしてある日から、私の考えが変わり始める。