昼休み、苺は中庭で1人でお弁当を食べようとしていた。
苺(はぁ〜・・・転入早々、1人でお弁当なんて・・・私って本当にバカ。)
その時、向こうの方から5人くらいの男子が歩いてきた。
その中に、あの村上尚斗もいた。
苺(やだなぁ・・・なんか言われそう。)
苺のカンは的中した。
尚斗「おい、チビ。お前1人で弁当食ってんのか?
友達いねーのかよ!なんてな、ハハハッ」
苺(ち・・・チビだとぅ?!人が気にしてる事をぉ〜!!)
そう思いながらも、答えた。
苺「うん。いないよ。いじめを止めようとしたら、
クラスのみんなにシカトされたもん。」
尚斗はしばらく黙っていた。というより、
苺がキッパリ言った事にびっくりしていたようだった。
そして、尚斗は一緒にいた男子達に言った。
尚斗「わりぃ。先行ってて。オレ、今日はこいつと弁当食うわ。」
苺(な・・・なんですと?!)
そう言うと、尚斗は苺のとなりに座った。
男子A「おぉ!尚斗N中に女いるんじゃねーのかよ?!」
男子B「オレはM女子中だって聞いたぜ?!」
男子C「もしかして、そいつとデキちゃってたりして?!」
尚斗「かもな。ハハハハッ!!」
苺(わ・・・笑い事じゃなぁ〜い!!)
苺は、どうして自分なんかと尚斗がお弁当を食べようと思ったのか
分からなかった。
普通だったら、ほっときそうなものなのに・・・
苺「ねぇ・・・どうして?さっきの人達と食べなくていいの?
私なんかと食べようと思うなんて、よっぽどの物好きだね。」
尚斗「ま〜な!なんか珍しいもん見つけたって感じ!」
苺(はぁ〜・・・明るすぎるゎこいつ。
こいつのテンションにはついていけない・・・;;)
苺はそう思った。
尚斗「なぁ、お前さ、さっきいじめを止めようとしてシカトされたって
言ったじゃん?あれ、本当か?」
苺「うん。そうだけど・・・」
苺はビックリした。
まさかこんな質問を尚斗からされるなんて思わなかった。
尚斗「お前、えらいな。」
苺「へ・・・?どうして??」
尚斗「だって、普通いじめられてる人見ても何もできないだろ?
まぁ、オレだったらみて見ぬふりはしないけどな。
オレだったら強いからいじめてるヤツをしめてやる!」
苺「おぉ・・・こっわー。」
苺「でもさ・・・私、それで友達無くしちゃったんだよね。
せっかく作るチャンスだったのに・・・
本当にバカだよね・・・。」
苺はまだ、いじめを止めた事を少しだけ後悔していた。
尚斗「お前なぁ〜・・・
いじめもろくに止められないヤツなんか、友達じゃないぞ。
お前もそう思ったんだろ?ならそれでいいじゃん。
オレは、お前がやった事は正しかったと思うぞ。」
苺はうれしかった。
尚斗がそう言ってくれた事・・・すごく励みになった。
尚斗「お前はお前。人に振り回されずに、
自分で思った事をやっていけばいいんじゃねーの?」
苺「そうだよね。ありがとう・・・」
尚斗「元気でたか??励まし料1万。」
苺「調子に乗るな!」
苺は、このとき初めて
尚斗は少しいいヤツかもしれない、と思った。
ありがとう尚斗。
また弱気になったら、励ましに来てね。