複雑な関係が1週間続いた。
卓也と両思いになれた事はまだ誰にも言ってない。
ちゃんと「彼女」になってから報告したかったから。
部活の帰り、彩夏と卓也は一緒に帰る事になった。
「いつ美紀と別れるの?」
「ごめん・・・でも明日ふるから!」
彩夏はその言葉を信じた。

次の日

「彩夏・・・おはよう」
美紀の様子がおかしかった。
「どうしたの?元気ないよ」
「うん・・・」
ふと美紀の手を見た。
「美紀!!この傷・・・何?」
「ぇっ・・・ひっかけちゃったんだよ!」
・・・うそだ。
美紀は卓也とうまくいかない悲しみのあまりリストカットをしていた。
「うそでしょ!ちゃんと本当の事言って!!」
「・・・気がついたら切ってた」
一瞬、彩夏は美紀を恐れた。
この事は卓也も知っていた。
「夜、美紀から電話かかってきて会って話したいっていわれて別れを言うために会ったんだ」
「それで?」
「前みたいないい関係に戻りたいって言われた」
「うん・・・」
「それで別れを言いかけた時に手首の傷が見えた。だから言えなかった・・・」
今別れを告げたら美紀が今度何をするかわからない。
彩夏は誰にも相談できず、こらえきれず泣いた。
自分は美紀から卓也を奪おうとしてるんだ。
最低なヤツなんだ。そう思った。
でも卓也をあきらめる事はできなかった。
自分が悪者になってでもこの恋を手放したくなかった。
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