美紀はリストカットの次に過食症になっていた。
気がついたら家の冷蔵庫を開け、食べ物をむさぼっていた。
でもみんな気づかない。
美紀は思っていた。
「彩夏さえいなければ・・・」
でも臆病者の美紀は何もできなかった。
むなしさと悲しみだけが残った。
美紀がそんな事を思っていたのは誰も知らない。
美紀の行動はストーカー並になってきた。
卓也に連絡をとりまくり、いつも影から卓也を見つめている。
彩夏はそれを知っていた。
むかついていたが最初は自分が美紀をこうさせたんだと思い何も言えなかった。
しかしある日彩夏の怒りが爆発した。
美紀を呼び出しこう言った。
「美紀さぁ、卓也の事つけまとうのやめてくれん?」
「何の事?」
「知ってんだからね!はっきり言ってうざいんだよ!!」
「意味わかんない。こうなったのも元はあんたがあたしから卓也をとるからいけないんじゃん!!」
美紀も負けなかった。
「はぁ?卓也が彩夏を選んだんだからしょうがないじゃん。」
「あんたが邪魔しなきゃよかったんだよ!!」
二人の言い合いは続いた。
「お前が卓也とメールしていいって言ったからメールしだして付き合うまでいったの。
あんたのおかげだよ」
もう彩夏は優しさをなくしていた。
「・・・・」
美紀は何も言えなくなった。
「だから感謝してるよ!でも今度卓也につきまとったらただじゃすまないからね!!」
すさまじい暴言をはきすてて彩夏は去っていった。
美紀は泣き崩れた。
消極的な美紀は彩夏の言葉を聞き自業自得だと思った。
そして卓也の事をあきらめる決意をした。
こうして彩夏と美紀の悲しい戦いはあっけなく幕を閉じた。
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