「ところで」
「ん?」
階段を一緒に上がる俺ら。
真美は2年だから3階。
それまで一緒。
「なんでかさをさしてなかったんだ?」
「それはねー・・あいあい傘したかったの。」
「は?」
「誰かがかさにいれてくれて学校まであいあい傘〜・・
 夢みたいな話だけどね。」
「ほんと夢だよ,それ。」
「うん,だけど夢もってもいいんじゃない?
 "ドラマ"みたいな。」
「ドラマ?」
「ドラマ・・特に恋愛ドラマ。
 実際だったらありえない話だけど憧れるんだ。
 誰かがやってくれないかな〜・・・って。」
「ふ〜ん・・」

俺はわからなかった。
こんなふざけた夢を持つ真美が。
たしかに夢を持つのはいいけど
一歩間違えたら妄想だ。
そう考えてると3階についた。
「じゃね。」
「うん。」
そしてゆっくり俺は4階に上がった。
ギリギリでホームルームに間に合った。
先生がなんか話してる。
・・頭に話がはいらなかった。


1日中,真美のことで頭がいっぱいだった。


帰りも雨。
まだドラマのように下手に激しく・・・
下駄箱のほうへいくと2年のところに真美がいた。
俺は真美の肩をたたく。
「・・・恭介。」
「どうした?」
「やっぱりかさ持ってくればよかった・・・。」
結局そうなる。
変な夢もってるといつもこうなるんだ。
「そっ頑張っていえにかえろよ。」
冷たくいう。
そして俺は3年のところにいく。
「・・・変わっちゃったね。」
「は?」
真美が突然いった言葉に動揺する俺。
「中学のときは雨のとき,かさ貸してくれてたじゃん。
 なのにもう・・・・」
そう,雨の日は何故かかさを2本ももってきてたから
1本は貸してあげて,俺は折りたたみ傘をさしてた。
「・・・だいたい変わるだろ」
俺はハッとした。
ついにいってしまった。
怒りの声を。
「真美のほうから告白してきたと思ったら別れ話も真美からだった。
 一体,なんなんだよ・・・別れるくらいなら告白すんなよ!!」
いい終わったあと,真美を見ると泣いてた。
「ごめん・・・・ね・・・ごめん・・」
真美の涙を見たのは初めてだった。
付き合ってきた期間はまる1年。
なのに泣いてる姿をみたのは初めてだった。
・・分かり合えてなかったんだと思う。


今 に な っ て き ず く な ん て 遅 す ぎ る 。


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