寂しいときに海へいった、その時、写ったあなたは誰?


「海辺の住人」


「バイバイ」
いつものように友達と別れ、暗い夜道を1人で歩く。
怖さは、なれてるから別にない。
しばらく歩くとそこには海。
昼間はキレイな青なのに、夜は黒。
あたしは闇の中にいるようで急に怖くなった。
このさきの夜道を、1人で歩くことが、とても怖い。
どうするか、迷っていた。
気づくと、黒くそまった海へきていた。
怖いはず、なのに心は落ち着いていた。
あたしの足元は海の水に少しふれていた。
海の鏡で見える映像、それはすさまじくキレイなものだった。
自分の顔がうつっている、けど気にせず、まわりの景色がうつっていることに
楽しさを覚えた。
これは何年ぶりに感じた事だろう。
ふと、また海の鏡を見ると、あたしの後ろに誰かいた。
あたしはそくざにふりかえった。
そこには、見知らぬ男の人。
「誰・・・?」
「海途」
海途・・・聞いた事のない名前だった。
あたしの周りに、そんな名前の人はいない。
でも学生っぽい・・・・・誰なの?
「顔、あげて」
あたしは海途にいわれて顔をあげた。
海途の顔は整ったきれいな顔だった。
青く光る瞳にあたしは吸い込まれそうだった。
「どうしたの?」
あたしはハッとした。
ついそのキレイさに見とれてしまったから。
「君の名前は?」
「・・・・夏海。」
夏にこのキレイな海がある町で生まれたから、夏海。
そのまんまで・・・なんか嫌い。
「夏海?キレイだね。」
「え?」
あたしは突然の言葉の意味がわからなかった。
名前がキレイなのか、恥ずかしいけどあたしがきれいなのか・・・・・。
あたしはふいに横を向き、海を見る。
「海、好き?」
海途がそっという。
あたしは静かにうなずいた。
すると海途は微笑んだ。
あたしも微笑んだ。
ただこの人は本当に誰なのか、不安をもちながら・・・。
 


 
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