"海途"という男の人と微笑み合った海辺。
また朝になって海は青くなる。


海辺の住人   「嫌い」


髪の毛を紫色のゴムで2つ結ぶ。
親とも目をあわさず、なにも話さないまま、静かに家をでた。
朝。
またあたしは海が見える道を歩く。
空の色にふさわしく、青くキラキラと光っていた。
まぶしいくらいに。
そしてあたしはまた海途にあいたい、そう願った。
両手を握って、目をつぶり、祈る。
嫌いな親と一緒にいるより、海途といたほうがずっとずっと楽しかった。
見知らぬ男の人と一緒にいるほうが・・・・よくて。
そう思いながら、学校に向かう。
「夏海、おはよー」
「っはよ」
下駄箱のところで声をかけてくれたのは親友、都だ。
同じ環境で育ったから気があう。
唯一、あたしを理解してくれる大事な親友だった。
「昨日、見たー?あれさ・・・」
昨日のテレビ番組の話とか、ささいな話だってあたしにとっては大きかった。
都以上にあたしを必要としてくれる人がいなかったから。
親はあたしに大事にしてない、興味がなさそう。
大事にしているのは自分で手に入れた仕事。
それしかないのだから・・・・・・・。
都も同じような家庭なのに、明るくて元気。
そんな都に憧れていた。
「よーっす」
後ろから肩に手をかけられた。
相手は水無月飛鳥、嫌いな男子。
あたしは即、横を向いた。
「飛鳥!夏海にきやすく触るんじゃないよ。」
「なんでだよ、好きなんだからいいじゃん。」
「あんた、ふられてんだから。嫌いなんだよ、夏海は。」
ずっと前、あたしは水無月に告白された。
でも断った。
父親が嫌いなせいか、男嫌いだったから。
それに水無月はいっぱい変な噂があるから関りたくなかった。
だけどそれ以来、色々つきまとわれてる。
なれたけどね、もう・・・・・。
あぁ・・はやく海途のところへいきたい。
きっとまたあの笑顔をみせてくれるはずだから・・・・・・。
早く、早く、早く・・・・・・・・



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