宝物を失ったあの日からあたしの心は不安定となる。


海辺の住人   「お母さん」


何日ぶりの学校か。
無断欠席をしていた。
ずっと海にいて・・・・。
学校にいるよか、はるかにまし。
黙っていても時間は過ぎて行く。
でも学校は授業、授業・・・・・・・・
海で静かにいるほうがやっぱまし。
あたしは海途がいなくても、よく海に行くようになっていた。
朝、昼、夜・・・暇さえあればいくほどに。
海と空のコラボレーション。
前は嫌いだったのに・・・・・・・・。
違う事を考えながら、授業はたんたんと過ぎて行った。
先生にはもう怒られた。
同じこと、何回もいわれた。
同じことしか先生は考えられないの・・・・?
怒られているあいだ、ずっと考えてた。
周りを見るとみんな携帯いじくってたり、寝てたりしてる。
結局、誰も先生の話、聞いてないじゃん。
あたしだけ別のこと考えてても前向いてる。
なんか馬鹿っぽい。
あたしはカバンから携帯をだし、メールを始めた。
相手はお母さんだ。
お母さんはお父さんよりはましでちゃんとあたしの話を聞いてくれる。
でも家にいる時間は少ないから、こうやって暇なときにはメールする。
今のあたしにとって海にいくこと以外ではこの時間が一番幸せだった。
・・・キーンコーンカーンコーン・・・・
授業は終り、やっと帰り。
なんかすっごく長かったなー・・・・。
机なかに入っていたものをカバンのなかにいれてるとき、
あたしの前にきたのは、水無月だった。
「よっ」
「・・・・・何?」
「あらら、そっけない。」
「何度もいったでしょ、あたしはあんたのこと嫌いなの。」
「じゃぁ、なんで今、こうやって話してるの?」
「あんたが問い掛けてくるからでしょ。
 ホント・・・・話したくない。」
海でのこともあったから、水無月とは関りたくなかった。
たしかにあたしは人からみると最近、変かもしれない。
でもいいんだ。
今からいつもどおり、海へ行く。
誰よりもはやく、教室をでた。
♪♪♪〜♪〜♪♪〜
そとにでたとたん、携帯がなった。
相手は・・・・・父さん。
ピッ
「・・・・父さん?」
『夏海か?あのな・・・・・母さんが・・・・』
父さんは震えた声で母さんが事故にあい、亡くなったといった。
あたしは走って病院へいった。
さっきまでメールで会話をしてたお母さんが・・・・
お母さんが亡くなったなんて、信じられなかった。
病院にいくと、お母さんの顔の上に白い布がかぶさっていた。
あたしはここへきてようやく現実をしった。
本当にお母さんは亡くなったのだ。
でも不思議と・・・・涙は出なかった。
他の人達は・・・父さんまで泣いているというのに。
あたしは泣かなかった。
現実は、わかっているというのに。
2004年9月、夕焼けのきれいな日だった。



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