秘密が明らかになる、そんな毎日が続く。


海辺の住人   「お父さん」


あたしは病室からでていた。
父さんがお母さんに向けて色々話したいといった。
そんなこと、いうような人じゃないのに。
お母さんのこと、ほったらかしにしていたのに。
でもやっぱり、人間だから大切な人を失うと・・・・・・・
だけどあたしは・・・・。
お母さんのこと、大切だったのに涙もなにもでてこない。
感情もいまいち・・・・・。
どうしてだろう。
「・・・・・孝治さん・・・2人目の奥さんまでなくして・・・」
前にいた親戚のおばさんがいった。
2人目?
「あの・・・・」
あたしは怖さもありながら、おばさんに問い掛けた。
「・・・夏海ちゃん?」
「2人目って・・・父さん、再婚したんですか?」
「あ・・・そうね、夏海ちゃんは知らないのね・・・・。」
「ええ・・・あの・・・」
「夏海ちゃん、あなたは・・・今のお父さんの子じゃないの。」
「え・・・・」
「たしか・・・もうお亡くなりになっているけど、
 ・・・・「海途」さんってかただったかしら・・・
 その人が、本当の夏海ちゃんのお父さんよ。」
・・・・・・海途?
・・・・・・偶然だよね。
「あの・・ホントのお母さんの名前・・・」 「冬海って名前よ・・・海途さんと結婚される予定だったんだけど
 その前に海途さんがお亡くなりになって・・・
 それで孝治さんとご結婚なされたんだけどすぐに冬海さんも亡くなって・・・」
「そう・・・なんですか・・・・」
「ええ。だから夏海ちゃんは冬海さんとの記憶がないのよ・・・。」
「・・・・・・・ありがとうございます。」
あたしは病院をでて、海へ向かった。
「冬海」「海途」・・・偶然じゃないと思う。
ここまで一致するなんてありえない。
あたしはスピードをあげてはしりつづけた。
「は・・・・・はぁ・・」
海についた。
海途は・・・・・・・・・・いた。
「海・・・・・途・・・・・・」
すると振りかえった。
小さい声でいったはずが聞こえていた。
海途はこっちへ向かってきた。
「どした?」
「・・・・・・海途。」
「ん?」
「・・・海途は・・・あたしのお父さん・・・なのかな・・・」
「え・・・・・・・」
「違ったらごめん。でもね・・・実は・・・」
今までの事をすべて話した。
するとあたしは涙を流していた。
海途はそんなあたしを見ながら
「・・・・そうだよ、僕は君のお父さんだよ・・。」
そう、いった。
本当のお父さんは海途だったんだ。
あたしはずっと本当のお父さんとこうやって話していたんだ。
そう思うと、あたしは笑顔になれた。
でも、不可解な事がある。
ならどうしてここにいるんだろう。
本当のお母さんの「冬海」さんも天国へいるのに、
もしあたしに会うのを望んでいたのならば、もうあったのに。
海途はどうしてここにいるんだろう。
お父さんはどうしてここにいるんだろう・・・・・。
海途のほうを向くと、そこにはあの光り。
海途が消える合図だった。
・・・・・消えた。
もうこんな現実になれているあたし、少し怖さがあった。



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