わかっていたこともわからなくなる、僕は誰?


海辺の住人   「時間」


あたしはあまり学校へ行かなくなった。
都がいるけど、楽しくない。
あたしには頼れる人は1人しかいない。
都はいっぱい友達がいるからいいけど、あたしはなじめない。
もうすぐ、卒業だというのに。
だけど今はそれよりも、海途のことを考えた。
一応、「お父さん」だし・・・。
今、あたしは波の静かな海にいる。
海途もいない、ただ1人。
太陽の日差しが海に反射し、まぶしい。
キラキラ照り付ける光も、夜になれば消えるんだ。
それに明日の予報は雨だというし・・・。
今日しかない。
あたしは色んなことを考えながらどんどん変わる空の様子を見ていた。

夜。
あたしは砂の上に寝ていた。
いつのまにか寝ていた。
おきあがると何メートルかさきに人影があった。
・・海途?違う。
どんどんこっちにきてる。
・・お父さん?
「夏海。」
「父さん・・・」
いつもと違う、一段と険しい顔をしてあたしを見てる。
「こんなところで何をやってんだ!」
「・・・・・・」
「近所の人から聞いたがお前、学校に行ってないそうじゃないか。
 とかもこんなところにいて・・・まったく。」
父さんはあたしの腕を引っ張り、むりやり帰らせようとする。
でもあたしは帰らない。
ずっとここで海途をまっている。
「かえるぞ!」
父さんはあたしを怒鳴ってうでを放した。
「ずっとここに行けばいい。」
そういって父さんは背を向けて帰っていった。
あたしはまたただ1人取り残された。
「夏海」
後ろから海途の声。
今にも消えそうに、光がある。
「海途・・・」
「僕、もう光が1日中あってもう昼間は現ることができないんだ。
 もうすぐ消滅するから・・・・」
「どういうこと?」
「僕は夏海・・・自分の子供と話すことができることが願いだった。
 でもそれも叶うとができて、くいはないんだ。
 だから・・・・・消える、もうすぐ。」
「そ・・・んな・・」
「だから、夏海。普通の、今までの生活に戻って。
 僕のことも忘れて。」
今までで見てきたなかで一番、悲しい目をしていた。
青い瞳も、水色になるような。
「無理だよ・・・あたし、海途のことわすれられないよ。」
「・・だけどこのままだと、僕は君のことを忘れて、
 こうやって話す事ができなくなるかもしれないんだ!
 だから・・・・・」
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