冬海の所にいったらもう夏海にはあえなくて・・・・


海辺の住人   「涙」


あの夜以来、海には行かなくなった。
海途が迷惑だと思うなら、もうあたしはいかないと。
学校にもいってる。
嫌いなやつは沢山いる、でも都がいるし・・。
楽しくなんてないけれど周りが望んでいることだ。
あたしは行く。
「海途」のために「海途」という存在を忘れるために・・。
家に帰ればお父さんが仕事から帰ってきている。
コンビニ弁当を食べて、寝てた。
あたしには都合のいい話だけど。
お母さんが生きているときは毎日、おこられていた。
お母さんがお父さんのことを止めて、あたしをかばってくれてた。
だけどお母さんが死んでからはいつもいないか、寝てる。
もしかして・・・お母さんに同意してもらいたかったの?
あたしが夜遅く帰ってきたことを一緒に怒ってほしかったのかな?
とんだ迷惑だよ。
あたしは階段を上がって自分の部屋にいった。
制服のまま、ベットへ入った。
そのたびにあたしは泣いた。
海途が消える淋しさ、お母さんがいないつらさ、すべてを忘れたい。
だからずっと泣く。
あたしはずっと泣くのを我慢してきた。
涙なんか知らない、涙なんか流さない、強い女になりたいから。
だけど・・・もう我慢しきれなかった。
毎日、ベットに入って泣いている。


・・・・・・あれ?ここは・・・・
海だ、いつもの海だ。
でも家をでた覚えはない、どうして?
あたしはなんでここにいるの?
視界に光が入る。
その方向を見ると海途が光に包まれ、歩いていた。
「うみっ・・」
海途はあたしの横を通りすぎ、ずっと向こうまで歩いていく。
あたしは海途のなかにいないの?
あたしには見えているのに・・・・・・・。
すなの上に座ると誰かが頭をなでた。
振りかえると、見覚えのない女性だった。
黒いおかっぱ髪、白いワンピース。
誰なのだろう・・・・・。
「夏海ちゃん。」
あたしの名前を呼んだ。
とてもすんだ声。
「あたしのこと、わかる?」
あたしは首を横にふった。
わからないという合図。
「そうよね・・・・・・。」
女性はしたを向いている。
「あたしね、夏海ちゃんのお母さんよ。」
え・・・・・?
「ふっ・・・冬海さん・・・?」
「ええ。」
本当のお母さん?
この人が?
あたしを生んでくれた人?
「あえてよかった・・・ずっとあいたくてあいたくて、たまらなかった。」
「あたしも・・・あえて嬉しい。」
「ありがとう。」
お母さんは微笑んだ。
そうか・・・この人がお母さんなんだ。
「じゃぁ・・」
「えっもういくの?」
「うん・・・あたし、もう夏海ちゃんとあえたし、
 悔いはないわ。」
「今、あったばかりなのに・・・?」
「・・・ええ・・。ちょっと悲しいけどね。」
「もうすぐ本当に消えるから、海途と・・・」
海途と冬海さんは光に包まれていた。
「え・・・!・・・・っ」



ちゃんとした声も出せなかった。
二人は笑顔であたしに手をふっていた。
だけどあたしは泣きそうだった。
お別れはちゃんと笑顔でしたかった。
だけどもうあえない。
もう、消えてしまったんだから・・・・・・。
だけど、もう一度、あいたい。
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